派遣の職場見学で落ちる人には共通点がある。元派遣営業が明かす「決定の分かれ目」

登録型派遣

「職場見学まで進んだのに、なぜか仕事が決まらなかった」

派遣で仕事を探していると、そんな経験をすることがあります。

せっかく職場見学まで進んだのだから、「あとは問題なく決まるはず」と思っていたのに、結果は見送り。
「何がダメだったんだろう」「自分のスキルが足りなかったのかな」と、落ち込んでしまう方もいるかもしれません。

でも、派遣の仕事が決まるかどうかは、スキルや経験だけで決まるものではありません。

私は以前、派遣会社で営業を担当しており、派遣先企業へのスタッフ紹介や職場見学にも関わってきました。

その経験から感じていたのは、職場見学では「この人なら実際の職場で一緒に働けそうか」という部分も大切だということ。

この記事では、一般的な職場見学のマナーや面接対策ではなく、派遣営業として実際に見てきた「決定の分かれ目」についてお話しします。

【注意】「職場見学で落ちる」という表現について

派遣では、紹介予定派遣を除き、派遣先が派遣労働者を特定することを目的とした事前面接などは原則として禁止されています。

一方で、派遣就業を希望する本人が、実際の仕事内容や職場環境を確認するために「職場見学」を行うことは認められています。

この記事では、職場見学・業務説明の場を経た後、結果として派遣就業が決まらなかったケースを、一般的な表現として「落ちる」「見送り」と表現しています。

参考:大阪労働局「派遣で禁止されていること」

派遣の職場見学まで進んだのに、なぜ決まらない?

まず知っておきたいのは、職場見学まで進んだからといって、必ずその仕事に決まるわけではないということです。

職場見学では、実際の仕事内容や職場の雰囲気を確認したり、就業前にお互いの認識にズレがないかを確認したりします。

派遣先からすれば、

「この仕事内容で問題なく働けそうか」

「実際の職場環境と本人の希望に大きなズレはないか」

といった点を確認する機会でもあります。

そして、ここで大切なのは、単純に「スキルが一番高い人が決まる」というわけではないということです。

もちろん、募集されている仕事内容に必要なスキルや経験が合っていることは重要です。

そのうえで、

「一緒に働くとしたらどんな感じだろう」

「周囲と協力して仕事を進められそうかな」

といった、実際に働く場面をイメージできるかどうかも関係してきます。

では、実際に職場見学ではどんなところを見られているのでしょうか。

派遣先が職場見学で見ていること

募集されている仕事内容とスキルが合っているか

まずは、派遣先が求めている仕事内容やスキルと、本人の経験が合っているかです。

たとえば、

  • ExcelなどのPCスキル
  • 電話対応の経験
  • 営業事務などの事務経験
  • 専用システムを使った経験

など、求人によって求められるものは異なります。

そのため、職場見学に進んだ段階では、まず求人内容を改めて確認しておくことが大切です。

ただし、ここで「経験が少ないから無理」と決めつける必要はありません。

募集内容によっては、これまでの仕事で身につけた経験が別の形で活かせることもあります。

「この人なら一緒に働けそう」と感じられるか

私が派遣営業をしていた頃、職場見学で印象に残っていたのは、笑顔があり、明るい声で受け答えをされる方です。

少し表現が難しいのですが、「話しやすいな」「一緒に働いてもらっても安心そうだな」と感じる方ですね。

もちろん、もともとの性格が明るい必要はありません。

普段は人見知りする方でも、職場見学のときはいつもより少しだけ意識して、笑顔で、相手に聞こえる声で話してみてください。

それだけでも、最初の印象は変わります。

事務職は、一人で黙々と作業するだけではなく、周囲と確認したり、協力したりしながら進める仕事も多くあります。

そのため、

「この人なら周囲と調和しながら仕事をしてくれそう」

「一緒に働く人とも自然にコミュニケーションを取れそう」

と感じられることは、職場との相性を考えるうえでもプラスになります。

これは、単に「笑顔なら受かる」という話ではありません。

実際にその職場で働いている姿をイメージできるか。

そこが一つのポイントになっていたように思います。

実際に一緒に働く人との相性もある

意外に思われるかもしれませんが、職場見学に、採用担当者だけではなく実際に一緒に働く現場の担当者が参加するケースもありました。

私が担当していたときにも、実際に一緒に働く方と会話をするような場面がありました。

そうなると、その方から見ても、

「この人と一緒に働きたいと思えるか」

という感覚は当然出てきます。

もちろん、相性だけで決まるという意味ではありません。

求められるスキルや仕事内容との適性などが前提にありますが、同程度の条件であれば、実際に働くメンバーとのコミュニケーションや雰囲気が合うかどうかも、働き始めた後のミスマッチを防ぐうえで大切な要素になります。

スキルがあっても、職場見学でマイナスになるケース

反対に、スキルや経歴がしっかりしていても、職場見学で「一緒に働くことへの懸念」を持たれてしまうケースもあります。

私が見てきた中では、たとえば次のようなケースです。

スキル以外の部分で、印象を落としてしまう

緊張してしまうのは当然です。

職場見学という慣れない場では、普段より声が小さくなってしまったり、表情が硬くなってしまったりすることもあるでしょう。

だからといって、もともと明るい性格である必要はありません。

ただ、職場見学では、いつもより少しだけ意識して、笑顔で、相手に届く声で受け答えすることをおすすめします。

一方で、受け答えが極端に少ない、質問に対してほとんど反応がないなど、コミュニケーション面で不安を感じさせてしまう場合は、スキルや経歴とは別の部分で懸念を持たれることがあります。

「一緒に働く人とコミュニケーションを取れそうか」という部分で、不安を持たれてしまうためです。

完璧に明るく振る舞う必要はありません。

相手の話を聞く、挨拶をする、質問には相手に届く声で答える。

そして、できそうならいつもより少し笑顔を意識する。

まずはそれだけで十分です。

職場見学に遅れてしまう

これは避けたいところです。

もちろん、やむを得ない事情で遅れてしまうこともあると思います。

その場合は、分かった時点ですぐに派遣営業へ連絡するなど、適切に対応しましょう。

一方で、特に理由もなく遅刻してしまうと、

「仕事でも時間を守ってもらえるだろうか」

という懸念につながる可能性があります。

職場見学は、実際に働く前の大切な機会だからこそ、時間には余裕を持って向かいたいですね。

服装や身だしなみに清潔感がない

これも、細かな服装ルールを暗記する必要があるという話ではありません。

大切なのは、一緒に働く人から見て違和感がないかということ。

派手すぎる、ということだけではなく、服装のシワや髪型なども含めて、最低限の清潔感は意識しておきたいところです。

マイナス要素のある質問を連発する

職場見学では、仕事内容や職場について質問することも大切です。

ただし、質問の内容によっては、働くことへの不安や消極的な姿勢ばかりが伝わってしまうことがあります。

たとえば、仕事内容を確認するための質問ではなく、

「これはやりたくありません」

「残業は絶対にありませんか?」

「こういう仕事は避けたいです」

といった話が続いてしまうと、派遣先からすると「この仕事をお願いして大丈夫かな」と感じる可能性があります。

もちろん、譲れない条件を隠す必要はありません。

ただ、職場見学では「できないことを伝える」だけではなく、「仕事内容を理解したい」という姿勢も見せることが大切です。

職場見学で「決定」につなげるために、事前にできること

職場見学の場でいきなり考えようとすると、緊張してうまく話せないこともあります。

そこで、事前に次のことだけは整理しておきましょう。

求人内容をもう一度確認する

まずは応募した求人を読み返します。

仕事内容だけでなく、

  • 具体的な業務内容
  • 必要なスキル
  • 使用するPCソフトやシステム
  • 就業条件

なども確認しておきましょう。

「思っていた仕事と違った」というミスマッチを防ぐことにもつながります。

自分の経験やスキルを仕事内容と結びつける

事務経験者なら、これまで担当してきた業務の中から、今回の仕事に活かせそうな経験を整理しておきます。

一方、事務未経験でも、

「接客で電話対応をしていた」

「営業で見積書や請求書を作成していた」

「コールセンターで専用システムへの入力をしていた」

など、事務職とつながる経験が見つかることがあります。

「事務経験がないから何もアピールできない」と考えず、今回の仕事内容に活かせる経験は何かという視点で考えてみましょう。

「この仕事で自分の経験をどう活かせるか」を整理する

職場見学では、自分の経歴を最初から最後まで詳しく説明する必要はありません。

それよりも、

「これまで○○の経験があるので、今回の△△の業務にも活かせそうだと思っています」

のように、自分の経験と仕事内容をつなげて話せると伝わりやすくなります。

これは事務未経験者にも経験者にも共通するポイントです。

職場見学で確認したいことを準備する

仕事内容や職場について、気になることがあれば事前に整理しておきましょう。

職場見学は、派遣先から見られるだけの場ではありません。

実際に働くことを考えて、

「一日の業務の流れは?」

「どのくらいの頻度で電話対応がありますか?」

など、仕事内容を具体的にイメージするための質問を用意しておくのもおすすめです。

気になることは事前に派遣営業へ相談する

「こんなことを聞いても大丈夫かな?」

「この経験はアピールしていいのかな?」

など、自分だけでは判断しづらいこともあると思います。

そんなときは、職場見学の前に派遣営業へ相談してみましょう。

派遣営業は、派遣先の仕事内容や職場の状況を把握していることもあります。

一人で悩まず、事前に確認しておくことで、当日も落ち着いて臨みやすくなります。

もし見送りになっても、次の職場見学につなげよう

ここまで読んで、

「じゃあ、職場見学で見送りになったら、自分に何か問題があったということ?」

と思った方もいるかもしれません。

でも、必ずしもそうとは限りません。

たとえば、

  • 他の候補者のスキルや経験がより仕事内容に合っていた
  • 職場見学で何らかの懸念があった
  • 実際の職場との相性が合わなかった

など、理由はさまざまです。

もし派遣営業から理由を聞けるのであれば、

「今回、どの部分が合わなかったのでしょうか?」

と確認してみるのも一つの方法です。

「もっとこうした方がいい」

「次はこういう求人の方が合いそう」

といったフィードバックがもらえれば、次の職場見学に活かせます。

実際、私が派遣営業をしていた頃も、登録型派遣では1社だけに絞らず、2〜3社ほど並行して仕事を探している方も多くいました。

さらに、同じ派遣会社だけではなく、複数の派遣会社を利用して応募している方も少なくありませんでした。

派遣会社によって扱っている求人や得意な職種、紹介される仕事などは異なります。

だからこそ、

「この会社で落ちたから、もうダメ」と考える必要はありません。

✍職場見学で見送りになったときは
✓ 理由を確認できるなら派遣営業に聞く
✓ 次回の職場見学に改善点を活かす
✓ 他の求人にも目を向ける
✓ 複数の派遣会社を利用する方法もある

一度の結果を振り返って次に活かしながら、応募する求人や派遣会社の選択肢を少し広げてみる。

そうすることで、自分の希望や経験に合った仕事に出会える可能性もあります。

もし今、なかなか仕事が決まらず悩んでいるなら、「自分に原因がある」と決めつけるのではなく、応募先の選び方や派遣会社そのものを見直してみるのも一つの方法です。

この記事を書いた人
はる

元大手人材会社の採用担当。
未経験から事務職を目指す方の採用や、無期雇用派遣で働く方のキャリア支援に携わってきました。

国家資格キャリアコンサルタント。

「就職することがゴールではない」を大切に、採用する側で見てきたリアルな経験をもとに、自分らしい働き方を見つけるための情報をお届けします。

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