未経験から事務職へ転職|転職エージェントは使ったほうがいい?

未経験から事務職へ

「未経験から事務職に転職したい」と思って求人を探していると、「転職エージェント」という言葉を目にすることも多いのではないでしょうか。

でも、

「未経験でも利用できるの?」

「自分で求人を探したほうがいいんじゃない?」

「登録したら、どんどん応募を勧められそう……」

そんなふうに、少し身構えてしまう方もいるかもしれません。

私自身、人材業界で採用や就業支援に携わってきましたが、実際に採用する側として転職エージェントから紹介された方と接する機会も多くありました。

また、転職エージェントを通して、無期雇用派遣の採用につながるケースも実際に見てきました。

転職エージェントは、単に「求人を紹介してもらう場所」ではありません。

これまでの経験を整理したり、自分では気づかなかった強みを客観的に見てもらったり、今の自分がどのような求人を目指せるのかを知るきっかけにもなります。

この記事では、採用する側として転職エージェント経由の応募者を見てきた経験も交えながら、未経験から事務職を目指す人が転職エージェントを使うメリットや、利用するときに知っておきたいことについてお話しします。

未経験から事務職を目指すなら、転職エージェントという選択肢もある

「転職エージェント」と聞くと、経験者向けのサービスというイメージを持っている方もいるかもしれません。

でも、転職エージェントにはさまざまなサービスがあり、未経験者向けの求人を扱っているところもあります。

また、正社員求人だけではありません。

私が以前、無期雇用派遣の採用に携わっていたときも、転職エージェントから候補者をご紹介いただくことが実際に多くありました。

そのため、

「未経験だから、転職エージェントは使えない」と最初から決めつける必要はありません。

もちろん、すべての転職エージェントが未経験事務に強いわけではありません。

年代や職種、勤務地などによって得意分野が異なるため、自分の状況に合ったサービスを選ぶことが大切です。

転職エージェントを使うと、自分一人ではできないこともある

転職エージェントを利用するメリットとして、求人を紹介してもらえることを思い浮かべる方は多いと思います。

もちろんそれも一つですが、私が特にメリットだと感じるのは、自分のキャリアを第三者と一緒に整理できることです。

キャリアの棚卸しを客観的にしてもらえる

転職活動を始めようとすると、

「自分には何ができるんだろう?」

「事務職に活かせる経験なんてあるのかな?」

「未経験だし、応募できる求人が少ないのでは?」

と、一人で考え込んでしまうことがあります。

でも、自分自身では「当たり前」と思っている経験の中に、仕事で活かせる強みが隠れていることもあります。

たとえば、

  • 人と関わる仕事をしてきた
  • 電話対応や接客をしてきた
  • データを扱う仕事をしてきた
  • 後輩の指導をしてきた
  • 複数の業務を同時に進めてきた

など。

こうした経験を一つひとつ整理していくことで、「今までやってきたこと」と「これからやりたい仕事」のつながりが見えてくることがあります。

転職エージェントでは、キャリアアドバイザーとの面談を通して、こうしたキャリアの棚卸しを一緒に行える場合があります。

採用担当をしていた私が感じた「エージェント経由の応募者」

ここは、私自身が採用担当として感じていたことです。

以前、採用に携わっていたとき、転職エージェントから紹介された方を選考する機会が多くありました。

その中で感じていたのが、これまでの経験や、これからやりたいことが整理されている方が多いということです。

もちろん、エージェント経由だから必ず採用されやすい、という意味ではありません。

ただ、

「これまでどんな仕事をしてきたのか」

「なぜ転職したいのか」

「これからどんな仕事をしたいのか」

といったことが比較的分かりやすく、「この人が目指している方向」が採用側から見てもイメージしやすいと感じることがありました。

これは、エージェントとの面談などを通して、自分の経験や希望を整理する機会があることも一つの理由なのかもしれません。

転職活動では、自分のことを自分で説明する必要があります。

だからこそ、第三者と一緒にキャリアを整理しておくことは、それだけでも意味のある準備になると思います。

事務職だからこそ、エージェント経由の求人に出会うこともある

事務職は、未経験から目指す人も多い職種です。

一方で、求人を探している側からすると、「事務職なら求人がたくさんある」とは限りません。

厚生労働省の「一般職業紹介状況」によると、2026年7月の職業全体の有効求人倍率は、原数値で1.05倍でした。

一方、一般事務従事者の有効求人倍率は0.29倍。

これは、ハローワークで扱われた求人・求職者の数をもとにした統計で、一般事務では求職者のほうが求人より多い状況だったことが分かります。

※有効求人倍率は、ハローワークで扱われた求人・求職の状況をもとにした指標です。民間の求人サイトや転職エージェントが扱う求人をすべて含んだ数字ではありません。
出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」、e-Stat「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」

だからこそ、事務職を目指しているのに、

「求人を探しても、なかなか自分に合うものが見つからない」

と感じることもあると思います。

私が採用に携わっていた中でも、事務職の求人では応募が集まりやすく、求人媒体に掲載すると応募者が増えて、採用担当者の対応数が大きくなるケースがありました。

そのため企業によっては、求人媒体で広く募集するだけではなく、転職エージェントに「条件に合う方がいれば紹介してください」と依頼する形で採用活動を行うこともあります。

こうした求人の場合、求職者からすると、一般に公開されている求人を自分で探しているだけでは出会えなかった求人を、転職エージェントから紹介してもらえる可能性があります。

また、転職エージェントが扱っている求人は、一般公開されているものだけとは限りません。

すべての求人が非公開というわけではありませんが、一般には公開されていない求人が含まれている場合もあります。

つまり、事務職への転職を考えるなら、求人サイトだけで探す方法に加えて、転職エージェントから求人を紹介してもらう方法も知っておくと、仕事探しの選択肢を広げられます。

転職エージェントを使うなら、知っておきたいこと

ここは少しだけ「裏側」の話です。

転職エージェントなどの有料職業紹介事業は、企業側から手数料や報酬を受け取る仕組みが一般的です。

実際の手数料や契約内容は事業者によって異なり、採用が決まった場合に企業から紹介手数料を受け取る成功報酬型の仕組みもあります。

だからといって、

「エージェントは自分に合わない求人まで無理に勧めてくる」

と決めつける必要はありません。

ただ、転職エージェントから紹介された求人だから、自分にとって必ず良い求人とは限らないということは覚えておいてほしいと思います。

紹介された求人について、

「仕事内容は自分の希望に合っている?」

「働き方は無理がない?」

「本当にこの会社で働きたい?」

と、自分自身でも確認することが大切です。

最終的に応募するか、入社するかを決めるのは自分。

だからこそ、転職エージェントを「自分の代わりに転職先を決めてもらう場所」ではなく、「転職活動をサポートしてもらう場所」と考えておくとよいと思います。

「まずは面談だけ」でもいい。自分の現在地を知るところから始めよう

転職エージェントを利用するからといって、最初から「この会社に応募しよう」と決めておく必要はありません。

たとえば、

「未経験から事務職を目指したいけれど、今の自分でどのくらい求人があるんだろう?」

「これまでの経験は、転職市場ではどう見られるんだろう?」

「自分が希望している条件だと、どのくらい選択肢があるんだろう?」

そんなことを知るために相談してみるのも一つの方法です。

転職エージェントとの面談では、これまでの経験や希望条件を整理するだけでなく、自分の経験からどのような仕事を目指せそうか、現在の求人状況を踏まえて相談できる場合があります。

一人で求人サイトを眺めながら、

「未経験だから無理なのかな……」
「自分って、そもそも何ができるんだろう……」

と考え続けてしまうより、第三者に一度話してみることで、見えてくるものもあるかもしれません。

転職エージェントなどの職業紹介サービスでは、求職者が無料で利用できるものが多くあります。

「客観的に見た自分ってどうなんだろう?」

そう感じているなら、まずは一度話を聞いてみる。

今すぐ転職するかどうかを決める必要はありません。

そんな小さな一歩から始めてみてもいいと思います。

転職エージェントは一社に絞らなくてもいい

ここまで読んで、

「じゃあ、どの転職エージェントを選べばいいの?」

と思った方もいるかもしれません。

転職エージェントは、それぞれ得意な年代や職種、求人の種類、サポート内容などが異なります。

そのため、「一番有名なところに登録すればいい」とは限りません。

特に未経験から事務職を目指すのであれば、

  • 未経験求人をどのくらい扱っているか
  • 事務職の求人があるか
  • 希望する勤務地に対応しているか
  • 自分が希望する働き方の求人があるか
  • どのようなサポートを受けられるか

などを確認して、自分に合うサービスを選ぶことが大切です。

また、一人のキャリアアドバイザーの意見だけで決めるのではなく、複数の転職エージェントに相談して、それぞれの視点から話を聞いてみるという方法もあります。

実際に利用する中で、「この担当者には相談しやすい」「こちらのサービスのほうが自分の希望に合っている」と感じることもあるでしょう。

まとめ|転職エージェントは「自分の可能性を知る」ためにも使える

未経験から事務職を目指すとき、転職エージェントは「求人を紹介してもらうためだけ」のサービスではありません。

これまでの経験を整理したり、自分では気づかなかった強みを見つけたり、今の自分がどのような求人を目指せるのかを客観的に知るきっかけにもなります。

また、採用する側から見ても、転職エージェントを通して自分の経験やキャリアの方向性を整理している方は、「どんな仕事をしたいのか」が伝わりやすいと感じることがありました。

一方で、紹介された求人をそのまま受け入れるのではなく、「自分はどんな働き方をしたいのか」という軸を持って利用することも大切です。

「未経験だから、自分には無理かもしれない」

「一人で考えているけれど、なかなか活動が進まない」

「客観的に見た自分の可能性を知りたい」

そんなときは、まず相談してみるところから始めてもいいと思います。

転職するかどうかを決める前に、自分の現在地を知る。

それも、転職エージェントを利用する一つの方法です。

この記事を書いた人
はる

元大手人材会社の採用担当。
未経験から事務職を目指す方の採用や、無期雇用派遣で働く方のキャリア支援に携わってきました。

国家資格キャリアコンサルタント。

「就職することがゴールではない」を大切に、採用する側で見てきたリアルな経験をもとに、自分らしい働き方を見つけるための情報をお届けします。

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