「未経験OK」なのに、なぜか決まらない。派遣事務の採用で起きていること

登録型派遣

「未経験OK」と書いてある派遣事務の求人に応募しているのに、なかなか仕事が決まらない。

「未経験OKなら、未経験でも採用されるんじゃないの?」

そんな疑問を感じたことはありませんか?

私はこれまで、派遣会社で事務職の採用・就業後フォローに携わり、多くの方の就業を見てきました。

その経験からお伝えすると、「未経験OK」という求人には、少し知っておいてほしい事情があります。

実は、「未経験OK=未経験者だけが応募する求人」ではありません。

では、派遣会社は未経験者のどんなところを見て、企業へ紹介しているのでしょうか。

この記事では、派遣会社側で採用に携わってきた経験から、「未経験OKなのになかなか決まらない」理由と、未経験から派遣事務を決めるために意識したいポイントを紹介します。

「未経験OK」は、未経験者だけの求人ではない

まず最初に知っておいてほしいのが、

💡「未経験OK」=未経験者だけの求人ではありません

未経験者も応募できる
+
事務経験者も応募できるケースがある

→ そのため、未経験者同士だけの競争ではありません。

派遣の仕事には、事務経験のある方もたくさん応募します。

そのため、「未経験OK」と書かれた求人に事務職経験者が応募してくることも珍しくありません。

実際、派遣会社の立場から見ても、事務職経験者が応募してきた場合は、これまでの経験を評価しやすくなります。

だからこそ、

「未経験OKなのに、経験者が採用された」

ということは、決して珍しいことではありません。

ただし、経験がないからといって、未経験者が最初から候補から外されるわけでもありません。

未経験者には未経験者なりに、企業へ紹介する際の判断材料があります。

派遣会社が未経験者を企業に紹介するとき、実際に見ていること

では、事務職未経験の方を企業へ紹介するとき、派遣会社はどんなところを見ているのでしょうか。

私が派遣会社の営業担当として人材を紹介していたとき、特に「この方なら企業へ紹介しやすい」と感じたポイントがいくつかありました。

✍派遣会社から見た「紹介しやすい人」
✓ 第一印象から安心感がある
✓ 条件面である程度柔軟
✓ 事務職を目指す理由を説明できる

第一印象から「安心して紹介できそう」と感じる

まずは、第一印象です。

笑顔がある、明るい、親しみやすい。

こうした印象は、企業へ紹介するときの安心感につながりやすいと感じていました。

派遣会社にとって、派遣先企業は大切な取引先です。

そのため、

「この方なら、企業にも安心して紹介できそう」

と思えることは、未経験かどうかとは別に大切なポイントになります。

もちろん、第一印象だけですべてが決まるわけではありません。

ただ、派遣会社と応募者の関係は、長年一緒に働いてきた会社と社員のような関係ではありません。

だからこそ、最初に感じた安心感が、その後の紹介にも影響することはありました。

条件面である程度柔軟に対応できる

もうひとつは、勤務条件などについての柔軟性です。

もちろん、家庭の事情や育児、介護などがあり、「どうしても譲れない条件」がある方もいるでしょう。

そこを無理に変える必要はありません。

ただ、

  • 勤務時間
  • 通勤できる範囲
  • 対応できる業務
  • 残業への対応

などについて、最初から細かく条件を限定してしまうと、紹介できる求人そのものが少なくなってしまいます。

逆に、

「決められた条件の中であれば、比較的柔軟に対応できます」

という姿勢がある方は、派遣会社としても求人を検討しやすくなります。

大切なのは、何でも我慢することではなく、「絶対に譲れない条件」と「できれば叶えたい条件」を分けて考えることです。

「なぜ事務職なのか」を説明できる

事務職未経験の方の場合、採用する側が気になるのが、

「なぜ今回、事務職を希望しているのか?」

ということです。

これまで販売や営業など別の仕事をしていた方なら、なおさらですよね。

「事務の仕事がしたいから」だけで終わらず、

  • なぜ事務職に興味を持ったのか
  • これまでの経験をどう活かしたいのか
  • これからどんな仕事をしていきたいのか

を自分なりに整理しておくと、未経験であることを補う材料になります。

経験者が有利になる求人もある。それでも未経験者にチャンスはある

ここは、少し現実的な話をしておきます。

事務職経験者のほうが有利になる求人は、実際にあります。

特に、

  • 経理事務
  • 人事事務
  • 専門的な知識が必要な事務
  • 特定の専用システムを使う仕事

などは、経験者のほうが即戦力として評価されやすくなります。

一方で、すべての事務求人がそうではありません。

たとえば、

  • 一般事務
  • データ入力
  • 電話対応
  • 営業アシスタント

など、比較的汎用性のある業務であれば、未経験者にも入り口があります。

そのため、未経験から最初の事務職を探すのであれば、「未経験OK」という言葉だけではなく、自分が未経験でも入りやすい仕事内容なのかを見ることも大切です。

「事務職未経験」でも、前職の経験は意外と使える

「事務職は未経験だから、アピールできる経験がない」

そう思っている方は、一度これまでの仕事を細かく振り返ってみてください。

意外と、事務職につながる経験を持っていることがあります。

販売・接客経験

たとえば販売職でも、

  • レジ締め
  • 売上管理
  • 在庫確認
  • 発注業務

などを担当していたことがあるかもしれません。

売上やお金を扱っていた経験は、経理などの仕事につながる可能性があります。

在庫確認や発注の経験は、営業事務などの業務と共通する部分があります。

営業経験

営業職でも、営業だけをしていたわけではないでしょう。

  • 見積書の作成
  • 請求書の作成
  • 顧客情報の管理
  • 社内システムへの入力

など、事務作業を担当していた経験があれば、そこも立派なアピール材料になります。

営業時代に使っていたシステムが、応募先の企業で使われているものと同じだった、というケースもあります。

コールセンター経験

コールセンターで働いていた方なら、電話対応はむしろ大きな強みです。

会社にかかってくる電話を、丁寧に安心して任せられる。

これは一般事務でも十分に活かせるスキルです。

また、コールセンターでは、電話で聞いた内容をその場でシステムに入力する仕事も多いため、タイピングが速くなっている方もいました。

さらに、対応件数や目標契約数などの目標を持って働いていた経験があれば、目標に向かって取り組めることも評価材料になります。

「事務職未経験」でも、「仕事で何をしてきたか」まで掘り下げると、アピールできる経験は意外と見つかります。

まずは短期の仕事で「事務経験」を作る方法もある

それでも、

「やっぱり事務職としての実績がない」

という方もいるでしょう。

そんな場合は、いきなり長期の事務職にこだわらず、短期の仕事で経験を作るという方法もあります。

派遣会社では、長期のお仕事だけでなく、

  • 短期のお仕事
  • 期間限定のお仕事
  • 年末調整など季節性のある事務

などを扱っていることがあります。

こうした仕事は、意外と経験者がエントリーせず、未経験から実績を作りたい方にとっては穴場になる場合があります。

たとえば、

「短期間だけど、PCを使った事務作業を経験した」

「期間限定で年末調整の業務を担当した」

という経験ができれば、それも次の仕事を探すときの材料になります。

まず一度、事務職に近い仕事を経験してみる。

そこから次の派遣先を探すという方法も、未経験から事務職を目指すひとつのルートです。

「未経験だから長期の事務職がなかなか決まらない」と感じているなら、派遣会社に登録して、短期・期間限定の求人も含めて相談してみるのもよいでしょう。

未経験から派遣事務を決めるために、登録前・職場見学前にできること

ここまでの話を踏まえて、未経験から派遣事務を目指す方ができることをまとめます。

① 条件を最初から狭くしすぎない

まずは、自分の希望条件を整理してみましょう。

「絶対に譲れない条件」と「できれば叶えたい条件」を分けて考えるのがおすすめです。

条件登録の段階からあまり細かく指定しすぎると、紹介できる求人が限られてしまうことがあります。

未経験からまず仕事を決めたいのであれば、無理のない範囲で、ある程度柔軟に求人を検討する姿勢も大切です。

② 「事務職で働きたい理由」を整理する

職場見学へ進む前に、

「なぜ事務職で働きたいのか」

を自分の言葉で説明できるようにしておきましょう。

自分だけではうまく整理できない場合は、派遣会社の営業担当や担当者に相談してみるのもひとつの方法です。

実際の職場見学では、どんなところを見られているのでしょうか。
派遣営業として職場見学に関わってきた経験から、決定の分かれ目になりやすいポイントをまとめています。

③ 派遣元の研修を積極的に利用する

派遣会社によっては、無料のPC研修やeラーニング講座などを用意しています。

もし利用できるなら、ぜひ積極的に活用してみてください。

私が担当していた派遣サービスでも、初級から上級までレベルに合わせたPC研修を実施していました。

研修を受けることでスキルを身につけられるだけでなく、派遣元にも「この人はスキルアップに積極的に取り組んでいる」という履歴が残ります。

未経験者にとっては、こうした積み重ねも紹介しやすさにつながることがあります。

④ 求人を紹介されたら「未経験でも入りやすいか」を見る

「未経験OK」と書いてあるかだけでなく、仕事内容も確認してみましょう。

たとえば、

  • 未経験OKの募集枠がどのくらいあるのか
  • 業務内容が複雑すぎないか
  • 未経験者でも取り組みやすい仕事内容なのか

といったところです。

同じ「未経験OK」でも、仕事内容によって入りやすさは変わります。

✍未経験から決めるためのチェックポイント
✓ 条件を狭くしすぎない
✓ 事務職を目指す理由を整理
✓ 派遣元の研修を使う
✓ 未経験でも入りやすい求人を選ぶ

事務経験を積みながらスキルアップしたいなら、無期雇用派遣も選択肢

ここまで読んで、

「未経験だから、まず研修を受けながら事務職を目指したい」

「一人で求人を探すより、育成やサポートがある環境で働きたい」

と思った方もいるかもしれません。

そんな方には、無期雇用派遣という働き方も選択肢のひとつです。

無期雇用派遣には、未経験者を対象に研修や育成を行い、事務職としてのキャリアをスタートできるサービスがあります。

もちろん、すべての無期雇用派遣が同じ仕組みではありません。

研修内容や配属の仕組みなどはサービスによって違うため、比較して選ぶことが大切です。

未経験から事務職として経験を積みたい方は、無期雇用派遣も選択肢として知っておくとよいでしょう。

「未経験だから決まらない」ではなく、紹介しやすい材料を増やす

「未経験OK」の求人に応募しているのに、なかなか決まらない。

そんなとき、

「やっぱり経験がないから無理なのかな」

と考えてしまうかもしれません。

たしかに、事務職経験者が有利になる求人はあります。

でも、未経験だから最初からチャンスがないわけではありません。

  • 前職で事務職につながる経験を探す
  • 「なぜ事務職なのか」を整理する
  • 条件を必要以上に狭くしない
  • 派遣元の研修を活用する
  • 短期・期間限定の仕事で実績を作る
  • 未経験者でも入りやすい求人を選ぶ

こうしたことを積み重ねることで、派遣元・派遣先の双方に「この人なら安心して任せられそう」と思ってもらえる材料を増やしていくことができます。

未経験だからこそ、最初から完璧な事務経験を持っている必要はありません。

今までの経験を掘り起こして、できることから少しずつ実績を作っていく。

それも、未経験から事務職を目指すひとつの方法です。

そして、もし「まずは研修やサポートを受けながら事務経験を積みたい」と思ったら、無期雇用派遣という働き方も含めて、自分に合う選択肢を探してみてください。

この記事を書いた人
はる

元大手人材会社の採用担当。
未経験から事務職を目指す方の採用や、無期雇用派遣で働く方のキャリア支援に携わってきました。

国家資格キャリアコンサルタント。

「就職することがゴールではない」を大切に、採用する側で見てきたリアルな経験をもとに、自分らしい働き方を見つけるための情報をお届けします。

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