未経験事務の志望動機|正直「土日祝休み」が本音。それでも伝わる志望動機の作り方

採用担当の本音

「未経験から事務職に転職したい。でも、志望動機と言われると困る」

正直なところ、

「土日祝休みの仕事がいい」
「不規則なシフト勤務をずっと続けるのは不安」
「接客や立ち仕事から離れたい」

そんな気持ちから事務職を考え始めた方もいるのではないでしょうか。

私が採用担当として未経験の方を面接していたときも、転職のきっかけそのものは、決して立派なものばかりではありませんでした。

そして私は、本音が「土日祝休みたい」でもいいと思っています。

ただ、その本音を隠して模範解答を作るのでも、そのまま面接で伝えるのでもなく、

「どうして?」をもう一歩だけ掘ってみる。

そこから、これまでの経験と「これからどうなりたいか」をつなげていくと、自分らしい志望動機が見えてきます。

今回は、接客職から未経験で事務職を目指すAさんを例に、一緒に志望動機を作ってみましょう。

正直「土日祝休み」が本音。それでもいい

接客職でシフト勤務をしているAさん。

事務職へ転職したい一番の理由を聞いてみると、

👩 Aさん
「正直、次は土日祝休みの仕事がいいです」

もちろん、これ自体が悪いわけではありません。

ただ、面接でここまでしか伝えなかったら、採用担当にはこんな疑問が残ります。

💭 採用担当
「土日祝休みなら、事務職じゃなくてもいいのでは?」

私が面接官なら、

「どうして土日祝休みの仕事にしたいんですか?」
「今の働き方で何か困っていることがありますか?」

と、もう少し聞いていました。

そこでAさんが考えてみると、

前職はシフト制で勤務が不規則だった
↓
この働き方をこの先ずっと続けられるか不安
↓
今後は生活リズムを整えながら長く働きたい
↓
休日には資格の勉強にも取り組みたい

という、本音の奥にある理由が見えてきました。

💭 採用担当
「なるほど。この人は今回の転職で“長く働けること”を大切にしているんだな」

同じ「土日祝休みたい」でも、少し印象が変わりませんか?

🌷 採用担当のリアル

本音を話してもらえると、その人が転職で何を大切にしているのか、どんな働き方を望んでいるのかが見えてきます。

私は、きれいに整えられた答えだけを聞くよりも、こうした本音の部分も知ったうえで、その方の価値観や優先順位を理解したいと思っていました。

ただし、採用担当は合否を判断する立場でもあります。

だから、本音は隠さない。でも、そのまま出さない。

「なぜそう思うのか」まで、自分の言葉で伝えられるようにしておくのがおすすめです。

そして、ここでもうひとつ。

面接官がここまで深掘りしてくれるとは限りません。

私は気になることがあれば質問していましたが、聞かずに判断する採用担当もいます。

「なぜ?」と聞いてもらう前に、志望動機の中である程度答え切ってしまいましょう。

未経験でも「活かせる経験がない」はもったいない

Aさんには、もうひとつ悩みがありました。

👩 Aさん
「でも、接客しか経験がないので、事務職で活かせるものがないんです」

これ、すごくもったいないです。

もちろん、ExcelなどのPCスキルや事務特有の知識は、未経験ならこれから身につける部分もあるでしょう。

でも、事務職の仕事をもう少し具体的に想像してみてください。

同僚から急な仕事を頼まれる。
複数の業務に優先順位をつける。
相手の意図をくみ取って対応する。
周囲と情報共有しながら仕事を進める。

こうして見ると、前職でも似た力を使っていませんでしたか?

✏️ はたらくびよりワーク|前職と事務職をつないでみよう

まずは気になる事務職の求人を2〜3件開いてみましょう。

もし求人票を見ても、
「未経験歓迎って本当に応募していいの?」
「PC基本操作って、どのくらい?」
と迷ってしまう方は、求人票の読み解き方をこちらの記事でくわしく紹介しています。

→ 未経験事務の求人票の見方|採用・派遣営業の経験から「企業側の意図」まで解説

求人の仕事内容を見ながら、次の4STEPで自分の経験とつなげていきます。

ここでは、「複数の依頼に対応する事務職」を例に考えてみます。

STEP 1|求人を見る

「この仕事では、どんな力が必要そう?」

【例】複数の依頼に優先順位をつけて対応する力

↓

STEP 2|自分の前職を見る

「似たような力を使ったことはなかった?」

【Aさんの例】忙しい時間帯に、優先順位を考えて動いていた

↓

STEP 3|具体的なエピソードを思い出す

「いつ、どんな場面でその力を発揮した?」

【Aさんの例】混雑時にレジ対応・問い合わせ対応・スタッフへの応援依頼の優先順位を判断していた

↓

STEP 4|応募先の仕事につなげる

「その経験は、この会社のどの仕事で使えそう?」

【Aさんの例】複数の依頼が重なったときに、優先順位を整理して対応する業務で活かせそう

💭 採用担当
「接客の経験から、状況を見て優先順位をつける力を身につけてきたんだな。事務でも、複数の依頼が重なったときに優先順位を整理して対応する場面で活かしてもらえそう」

さらに「御社の○○業務で活かせる」ところまでつなげられると、

「うちの仕事内容をきちんと調べてきたんだな」

という印象にもつながります。

紙でもスマホのメモでも大丈夫です。

求人で必要な力
↓
自分が持っている力
↓
その力を発揮した経験
↓
応募先でどう活かす?

この4つを並べてみてください。

意外なところに、前職と事務職をつなぐ線が見つかるはずです。

「コミュニケーション能力があります」で終わらせない

前職と事務職の共通点を見つけたAさん。

今度はこんなふうに答えました。

👩 Aさん
「接客で培ったコミュニケーション能力を、事務職でも活かしたいです」

💭 採用担当
「“コミュニケーション能力”って、具体的には何ができること?」

コミュニケーション能力といっても、

  • 相手の話を正確に聞ける
  • 相手に合わせて説明できる
  • 周囲を見ながら声をかけられる
  • 関係者の間に入って調整できる

など、いろいろあります。

だからこそ、先ほどのワークで考えた具体的なエピソードをここで使います。

👩 Aさん
「接客では、混雑時にお客様の状況を見ながら、レジ対応・問い合わせ対応・スタッフへの応援依頼の優先順位を判断していました。事務職でも、複数の依頼が重なったときに周囲の状況を見ながら優先順位を考え、対応する力として活かしたいです」

💭 採用担当
「なるほど。この人がいう『コミュニケーション能力』は、ただ人と話すのが得意ということではなく、周囲の状況を見ながら、必要な人と連携して対応できる力なんだな。それなら、事務の仕事でも活かせそう」

「コミュニケーション能力」「臨機応変」「協調性」。

便利な言葉だからこそ、あなたにとってそれが「何ができることなのか」まで伝えると、ぐっと人物像が見えやすくなります。

未経験採用だからこそ「入社後の未来」を見せよう

ここまででも、Aさんの志望動機はかなり具体的になりました。

でも、私ならもう一歩聞きたいです。

「事務職になったその先、あなたはどうなりたい?」

未経験採用では、これまでの事務経験だけで判断することはできません。

だからこそ、今できることだけでなく、これから成長し、どう活躍してくれそうかというポテンシャルも大切になります。

Aさんが、

👩 Aさん
「これまで培った周囲を見ながら対応する力を活かしながら、今後はPCスキルや事務の専門性も身につけ、周囲から安心して仕事を任せてもらえる事務職になりたいです」

と話してくれたら——

💭 採用担当
「その強みなら、この仕事でも活かせそう。このキャリアプランならうちの研修制度も合いそうだし、経験を積んだら将来的にはこんな仕事も任せられそう」

採用担当側でも、Aさんが入社したあとの姿を想像できるようになってきました。

私自身、面接をしながら応募者の方とキャリアをすり合わせ、「うちならこんな経験ができそう」と考えることがありました。

未経験採用は、経験だけでなくポテンシャルも大切。

だからこそ私は、

「未来を見せたもの勝ち」くらいの気持ちで志望動機を考えてみてほしい

と思っています。

経験したこと
↓
そこで身につけた強み
↓
事務職でどう活かすか
↓
その先に、どうなりたいか(Will)

まで一本につなげる。

採用担当に、

「この人と一緒に働きたい」
「入社後、こんなふうに活躍してくれそう」

という未来を想像してもらえたら、未経験であることだけでは測れない、その人らしい志望動機になります。

Aさんの志望動機はどう変わった?

最初は、

👩 Aさん
「土日祝休みの仕事がいいので、事務職を希望しています」

だったAさん。

ここまで考えてきたことをつなげると、こんな志望動機になります。

志望動機の完成例

前職では接客業に従事しており、シフト制で不規則な勤務を続けてきました。今後長く働くことを考え、生活リズムを整えながら働ける環境で、新たなスキルを身につけたいと考え、事務職を志望しています。
接客では、混雑時に複数のお客様対応やスタッフとの連携が必要な場面も多く、周囲の状況を見ながら優先順位を考えて行動してきました。
この経験を御社の○○業務でも活かしながら、今後はPCスキルや事務の専門性も身につけ、周囲から安心して仕事を任せてもらえる事務職を目指したいと考えています。

最初の本音を、なかったことにはしていません。

「土日祝休みたい」から始まっているけれど、最後にはAさんの過去と未来が見える。

これが、私が未経験の方に考えてみてほしい志望動機です。

接客職以外なら?3つのミニ例

考え方は、接客職以外でも同じです。

営業 → 事務

本音:「ノルマのある仕事から離れたい」

営業の中で何をしているときにやりがいを感じた?
↓
資料作成や進捗管理、周囲のサポートが得意だった
↓
その経験を事務職でどう活かしたい?

介護・保育など → 事務

本音:「体力的に、この先ずっと続けられるか不安」

これまで培った「相手の状況を見ながら対応する力」「周囲との連携」「予定を調整する力」などに目を向け、長く働ける環境でどう活かしたいか考えてみます。

製造・軽作業 → 事務

本音:「デスクワークへ移りたい」

「決められた手順を正確に守る」「ミスがないか確認する」「効率を考えて作業する」といった経験はなかったでしょうか。

仕事内容は違っても、事務職につながる力が見つかることがあります。

最後にひとつ。志望動機は「作り込みすぎ」にも注意

ここまで読むと、

「ちゃんとした志望動機を作らなきゃ」

と思うかもしれません。

でも、完璧な模範解答を作る必要はありません。

転職エージェントを利用すれば、本音を伝わりやすい形に整理してもらったり、面接練習をしてもらったりできます。

私も、こうしたサポートを活用すること自体はいいと思っています。

一方で採用担当をしていたとき、

「すごくきれいな志望動機だけど、本当に本人の言葉かな?」

と感じることもありました。

たとえば、

「コツコツ取り組むのが得意」と言っているのに、具体的なエピソードが出てこない。

「事務職のエキスパートになりたい」と話していたのに、他社ではさまざまな職種を受けている。

志望動機だけを完璧にしても、その後の回答とつながらなければ、小さな違和感になります。

🌷 採用担当のリアル

私は違和感があると、

「こうおっしゃっていましたが……本当は?」

と、そのまま聞くこともありました(笑)。

でも、すべての採用担当が聞き直してくれるとは限りません。

違和感があっても、そのまま選考結果を判断する人もいます。

だから、転職エージェントと志望動機を一緒に考えたときも、ネットの記事やAIを参考にしたときも、最後に確認してみてください。

「この志望動機に、ちゃんと自分軸が入っている?」

そして、

「なぜ?と聞かれても、自分の経験から答えられる?」

ここまで確認できれば、面接でも自分の言葉で話しやすくなります。

まとめ|少しくらい詰まっても、自分の言葉で

採用担当をしていて「この人は本音で話しているな」と感じたのは、必ずしも志望動機をすらすら話せる方ではありませんでした。

少しくらい言葉に詰まっても、自分の経験を思い出しながら自分の言葉で話してくれる。

そして、

過去の経験 → 自分の強み → 事務職でどう活かす → これからどうなりたい

に一貫した思いがある。

そんな話を聞けると、採用する側も「じゃあ、うちならこんな経験ができそう」「将来的にはこんな仕事も任せられそう」と、入社後の未来を一緒に考えられるようになります。

まずは、きれいな志望動機を作ろうとしなくて大丈夫です。

スマホのメモでもいいので、

「本当は、どうして事務職になりたい?」

と書いてみてください。

そこから「なぜ?」をひとつずつ掘り下げて、あなたの経験と、これからなりたい自分をつないでみましょう。

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また、「事務職を目指すために資格を取った・勉強を始めた」という経験も、志望動機を考える材料になります。

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この記事を書いた人
はる

元大手人材会社の採用担当。
未経験から事務職を目指す方の採用や、無期雇用派遣で働く方のキャリア支援に携わってきました。

国家資格キャリアコンサルタント。

「就職することがゴールではない」を大切に、採用する側で見てきたリアルな経験をもとに、自分らしい働き方を見つけるための情報をお届けします。

採用担当の本音
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